経営モラル

2009年5月 8日 (金)

直感的に感じる違和感 「日本はもう立ち直れない」 だから「海外で働こう」に賛否両論

5月4日付J-CASTニュースに、こんなタイトルの記事が出ている。

「日本はもう立ち直れない」 だから「海外で働こう」に賛否両論

記事の中で紹介しているのは「米シリコンバレーでコンサルタント会社を経営する渡辺千賀さん」のブログだ。
[渡辺千賀]テクノロジー・ベンチャー・シリコンバレーの暮らし 4/27付「海外で勉強して働こう」

実際のブログも読んでみた。J-CASTニュースで取り上げている内容はほぼ網羅していてて正確だ。渡辺さんの考えは至ってシンプルで、

1)日本はもう立ち直れないと思う。
だから、
2)海外で勉強してそのまま海外で働く道を真剣に考えてみて欲しい。

ということだ。
「これまでは、1)は言わずに、2)だけ言ってきた。」のであって、従来からの考えのようである。
J-CASTニュースでは「刺激的」な内容なので賛否両論が相次いでいると紹介している。
正直な感想として、渡辺さんの主張は従来からある考え(日本悲観論はアメリカ陰謀説と同じくらい主張する人が多く、私の回りの企業経営者には「40歳まで働いて余生は海外で新しいビジネスを起こして暮らす」「自身の能力を120%試すなら海外しかない」という人達が何人も^^;)なので、さほど刺激的だとは思わないが(^_^;)、紹介されている賛成、反対それぞれの意見も含めて、私の考えと根本的にずれている点だけ述べておきたい。

日本の将来に希望が持てないから、日本以外で自分の可能性を試してみよう、という。
では世界のどこの国でも希望がなくなったら、その土地を離れるというのだろうか。
それでは、どこまで行っても、回りの環境や条件に依存した人生から脱却することはできない。
どんな状況であれ、自らが持っている可能性を発揮して、自分を取り巻く環境さえも変えていく能力がなくして、何ができると言うのだろうか。

逆境は、自らの能力を最大限に試すことができる、絶好のチャンスである。
好条件なら、多少の能力がある人なら、殆どの人が成功を収めることができるだろう。
そんな中で成功を収めたからといって、何の喜びがあるのだろうか。
それに加えて言うならば、何のために「成功」したいのか。
自己満足の域を出ることができるとは、少なくとも私には思えない。

「海外で学び、成功を収めよう」というのは、一見、困難な道を選んでいるように見える。
果敢に人生を切り拓くようなチャレンジ精神あふれるイメージも、ある。
しかし、「日本はもう立ち直れないから海外で勉強して、そのまま働こう」というのはチャレンジというよりは「利己的」「切捨て」「海外脱出」、さらに言えば「忘恩」のニュアンスを感じる。
海外で悪戦苦闘しながら自らの道を切り拓いてきた人達、またこれから海外で頑張ってみようという人達に対しても、礼を欠いていると私は感じる。
渡辺さんは「自分自身もそんなチャレンジャーの一人だ」という意識があるのかもしれないが、だからといってその行動の源泉を「日本は立ち直れない」という自分自身の見解に関連させて、回りの人達に言って聞かせる必要など、全くないと思う。
本当の意味で苦しい、けれども人として目指す道はどちらなのか。
本当に価値ある選択を私達はしなければならない。

自分達を産み、育ててくれた父母や隣人、地域に感謝し、報恩を貫く生き方。
たとえ現状がどんなに見通しが暗く、希望を持てなくなりそうでも、である。
自分が「今いる場所」で「目下の課題」に必死で取り組むことが最も尊い人生だと、私は思う。
そこから出てくる仕事への取組みは、必然的に渡辺さんの考えとは180度対極に位置せざるを得ない。

これが私の考えである。
様々な人達の意見は、日頃の自分自身の生き方や発言にブレがないか、判断する絶好の教材であり、リトマス試験紙である。自分自身の人生の方向がどちらに向いているのかを見直す絶好の機会としてほしい。
各人の判断にあって、海外の道を選ぶこともあっていいと思う。
それは個人の自由意志だ。
ただし、どこへ行っても人生を決めるのは自分自身であって、環境ではないということだけは忘れないでほしいと思う。

昔から言われていたこと。 「隣りの芝生は青い」。

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2008年5月 3日 (土)

絶対に許せない 船場吉兆で食べ残しを他の客に

言語道断だ。
お客様が食べ残した料理を、別のお客様に使い回すなどということは、飲食に関わる者として、絶対に行なってはいけない卑劣な行為である。
しかもそれが高級老舗料亭で行なわれたとすれば、驚きを通り越して激しい怒りを覚える。
これが今の日本の飲食店経営者の現実なのか。
そうではないと力強く断言できる経営者を一人でも多く輩出するしかないと痛感する、痛ましい事件である。

【関連リンク】 食べ残し別の客に 刺し身やアユの塩焼き 船場吉兆(産経新聞) - Yahoo!ニュース.

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