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2008年9月17日 (水)

汚染米流通先公表に対する反応 物事の本質を見失うな

三笠フーズの摘発によって実態が明らかになってきた事故米穀(汚染米)不正転売問題に関して、農林水産省の調査を元に政府は今月16日、新たに外食産業を含む375の流通先を公表した。
汚染米の流通先一覧(政府発表)はこちら

東京、千葉から西の日本列島の半分以上に広がる汚染拡大に、多くの人は驚きを隠せないに違いない。しかし長年にわたって、ある意味で米業界内では「あっても決して不思議ではない」黙認行為だったのではないだろうか。
何段階もの転売を重ねる米売買によって、トレーサビリティは全く判らなくなってしまう。しかしその転売によって決して少なくない業者の利益を生んでいた。
日本の農業、米の悲劇はこんなところにあるのだ。

政府による流通先公表という行為に対しての様々な反応には思いを複雑にせざるを得ない。今回の公表は必要であったという国民世論が大勢を占めるだろう。その一方で「事故米だと知らなかった善意の第三者である末端業者までなぜ公表するのか」という業者の立場での反論も当然起こってくる。仮にそのような理由によって公表を見合わせたとしたら、今度は消費者である国民の多くは政府、農林水産省の対応を一斉に非難するのは間違いないだろう。
ひとつの決断、行動を起こした時に賛否両論が出ているのは必然である。問題がより多くの人達に関係するとあればなおさらである。

事故米と知らずに購入した多くの商店、事業者は、「お客様に申し訳ない」「健康被害が出ていないか心配」と痛めた自身の心をさらに自分から先の人達に回し向ける。
その一方で、公表によって売上が激減するなど被害を蒙ったのは事情を知らされずに事故米を買わされた自分を含めた事業者だと主張する人もいる。その怒りの矛先は流通先を公表した政府、農林水産省に向かっている。

農水省の調査に販売先10社の実名を明かさなかった三重県四日市市の食材卸業「ミルズカトウ」の加藤芳男社長(49)は、三重農政事務所などを相手に訴訟を起こす考えを表明。社長は「公表された店は売り上げが落ちる。農政事務所の職員に『会社や販売先がつぶれても公表する』と言われた」と憤った。(MSN産経ニュースより転載)

その人その人の立場にあっては、その主張が最も重要な行為なのだろうと思う。
こうした非常事態に直面した時に、その人自身がもっている生命の基底がどこにあるのか、行動思考の基準がどこに置かれているのか、端的に現れてくる。

そしてもうひとつ、忘れてならないのは、こうした業者名公表という関心の高い出来事に目を奪われて事件の本質を見失わない私達の姿勢が大切である。
とかく日本人は熱しやすく冷めやすいと揶揄されがちだ。
大切なことは、
この事件が突発的なものなのか構造的なのか。
事件の本質的原因は何か、またどこがその発生温床になっているのか。
応急措置と恒久対策は如何にして講じるのか。
--こうした次を見定めた前向きな対応が求められている。

【関連リンク】
汚染米の流通先一覧(政府発表)
【事故米不正転売】「まさかうちが…」外食産業は困惑(産経新聞ニュース)
汚染米 外食産業にも“飛び火” 公表、戸惑いと憤り(Yahoo産経新聞)
複雑な流通ルート 隠蔽と価格高騰の一石二鳥(IZA!)

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